人事・労務管理のエキスパート |
答えはNoです。
前回、問題解決に役立つのは本物感情だとお伝えしましたが、喜び、怒り、悲しみ、恐れ、どれも大事な自分の感情です。善し悪しはありません。
皆さんの、4つの感情についてのイメージは如何ですか?喜びは〇だけど悲しみは×とか、怒りは〇だけど恐れは×など…それぞれかと思います。どちらかと言えば認めたくない感情の存在に気付いてあげるだけでも、心持ちが楽になると私は考えます。
最近、あちらこちらで火山の活動が活発になっているニュースを耳にします。生活に支障があるからといって、噴火口にフタをしたらどんなことになるでしょう?自分の中で湧き出る感情も、火山の活動と同じように自然のことだと受け止めて、自らのエネルギーに向き合うことが、心と体のバランスをとることにつながると思います。繰り返しますが、自然のことなので、善し悪しではないのです。
かくいう私も、小学生の時に父を病気で亡くした際に、あまりのショックで悲しみの感情にフタをしたまま生きてきました。元気で明るくしていなければならないという思い込みに駆り立てられて、頑張ったことで、得たものはたくさんありました。ところが、長年自分の悲しみに気づけなかったため、身体の不調という形で代償を払うという失敗を経験しています。幸いにも、ある時点で押し込めてきた悲しみのフタを開けることができたので、その後は穏やかに過ごせるようになりました。
では、形のわからない感情に向き合うにはどうしたらいいのでしょう?次回から感情への気づき、受け止め方、表現の仕方についてお伝えしていきます。
大林 田園子