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「こころを耕す」をテーマに綴るブログ
作成日:2019/03/08
挨拶「おはようございます」の裏側にあるもの



今回のテーマは挨拶「おはようございます」です。

ありふれたテーマだと感じる方も多いかと思いますが、相手と気持ちの良い挨拶をかわせるか、気持ちの良くない挨拶をかわすかで、その後の気分は大きく違います。


【職場の挨拶事情】

コミュニケーションの話題になると意外に多いのは挨拶に関するお悩みです。

企業の経営者、管理職など、マネジメントに携わる方々が、職場の挨拶について

「挨拶ができない社員にどのように指導したらよものか。」

というお話をよく伺います。

一方、従業員さんのサイドに伺うと、

「うちの社長は挨拶は笑顔でしなさいって言ってるんだけど、社長本人が笑顔でおはようって言ってるの見たこと無いんだよね。」

「職場の壁には 笑顔で挨拶 明るい職場 って張り紙があるんだけど、今ひとつ説得力ないし…。」

こんな声もチラホラ。

社長さんは、笑顔の挨拶で1日が始まる職場にしたいと考えて、貼りだしていることと思いますが、残念ながらその張り紙が効果を発揮していない職場もあるようです。笑顔で挨拶と詠っている本人がやっていないので、自分もやらなくてよいと判断する人がいるのでしょう。

社長さんの思いとは裏腹ですね。社長さんもお気の毒ですし、一方的に笑顔の挨拶を要求されていると感じる従業員さんも腑に落ちないでしょう。

なぜ、このようなことになるのか。
挨拶の後ろにある心のありようを探ってみましょう。


【教育的思考から発信するストローク】

ストロークとは交流分析の用語で、平たく説明すると、「私はあなたの存在をわかっています。というメッセージ(言語&非言語)のことです。」

微笑む、感謝の言葉をかける、褒める…といった肯定的なメッセージもあれば、無視、叱責、叩く…などの否定的なメッセージでもあります。

「おはようございます」も1つのストロークです。
「おはようございます」と声をかける。「おはようございます」と返す。これはストロークのやりとりです。

「おはよう」の挨拶の場合、定型の言葉、共通の意味でやりとりするのですから、相手に伝わる内容も同じはずですよね。ところが、心地良い「おはようございます。」と心地良くない「おはようございます。」があるのはどうしてでしょう?

それは、ストロークの出し手と受け手が、心の中のどんなパートでやりとりしているのかに関係します。

先ほどの社長さんの「おはようございます。」はどのような本意があり、どのようなパートを通して出されているのか想像してみましょう。

ここで3人のA社長,社長B,C社長に登場していただきます。
社長さん共通の本意は「職場のコミュニケーションを良くしたい。まずは笑顔の挨拶から始めよう!」
素敵なアイデアです。

3人が従業員さんへの「おはよう」の挨拶で使った自我状態は

A社長  養育的な温かいパート
B社長  教育的な厳しいパート
C社長  子どものようにのびやかなパート

さて、受け取る側にまわったら、どの社長からの「おはようございます。」に笑顔で返したいですか?私だったらA社長とC社長です。B社長にも笑顔で返すけど、あまり心地良くはないですね。

逆に、あなたが社長なら、どのパートから「おはよう」のストロークを送りたいですか?

笑顔の挨拶が少ない職場では、B社長のタイプが多いような気がします(あくまでも私の経験からですが)。B社長タイプの「おはよう」には、下記のようなべき思考、ねば思考のパートが隠れていることもよくあります。

「本来挨拶は目下の者からするべき。」
「経営者たるものヘラヘラ笑っていられない。」
「従業員は社長の意向に従うべき。」
「挨拶はしなければならない。」

従業員さんに笑顔の挨拶を求めるなら、まずはべき思考、ねば思考のパートには休んでもらって、A社長やC社長が使っていたようなパートから挨拶を発信してみることです。

長年使っている馴染みのパートを休ませるのは勇気がいることですが、試してみる価値はありますよ。お客さん、自分のペット、お孫さんには笑顔で「おはよう」を言っているはずですから、従業員さんに対してもできると思いませんか?研修費をかけて従業員に挨拶の基本を教育する前に、是非お試しあれ。

知り合いの社長さんで、自分の教育的な厳しいパートに気づいて、笑顔の挨拶にチャレンジした方がいます。初めは少々引きつっていましたが、笑顔の挨拶を送りたいという社長の気持ちが伝わり、それまで社長の前では緊張していた従業員さんからも笑顔の挨拶が返ってくるようになりました。そうなると相乗効果で、どんどん気持ちの良い挨拶がひろがり、雰囲気が良くなったそうです。

私は社長じゃないから…と思っているそこのあなた、他人事ではありませんよ。親子、夫婦、師弟、大人と子供、先輩後輩など、無意識のうちに上下ができやすい関係でも、B社長さんのように、自分はやってないことを相手には要求する事は起きやすいです。教育的なべき思考ねば思考にご用心くださいませ。

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