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作成日:2019/01/18
伴侶犬とのお別れについて



飼い主の重要なミッションのひとつとして、伴侶犬の最期を看取る事、を真剣にお考えの方は多いと思います。それが精神的にとてもタフな仕事であることは、いうまでもありません。

今回は、人と犬の愛着関係の仕組みと、お別れをつらいだけの思い出にしないための心持ちについてお話します。


【愛犬は家族の中のどのような存在か?】

愛犬家が、「親の死より、愛犬の死のほうがこたえる。」というのを、よく耳にします。それを聞いた愛犬家もまた「うん、うん、分かる〜。」と納得。犬を飼わない人からは、なかなか理解されない想いかも知れません。

ペットは家族の一員。愛犬を子供のような存在として、大切に育てている方も多いでしょう。

子育てと育犬の違いを見てみます。

人間の子は成長すると、親離れしていきます。親にとっては寂しくも、喜ばしい事です。そして、親は自分が子供より長生きすることは望まないでしょう。自分が亡くなった後も、末永く幸せに生きて欲しいと望みます。

犬にとっては、飼い主と家族=世界。飼い主から自立することもありえません。飼い主離れするときは命が終わるときともいえます。犬の平均寿命は10〜16歳くらい、犬を飼うということは、命を預かる覚悟、最後まで看取る重さを背負うことです。

それは頭では分かっていても、愛犬の命が終わることは認めたくないのが現実です。いざ、お別れとなると、精神的なダメージはそうとうなものです。


【飼い主と犬の愛着形成】

家畜化の課程で、犬は性成熟しても、幼犬の特徴を残すように選択、改良されてきました。

形体的には
大きな目、たれた耳、短いマズル、巻尾、身体の小型化など
性質的には
好奇心、遊技好き、人間への適応力など

野生の犬やオオカミであれば、大人になると消えていく特徴が、失われずに成犬になるのです。人が犬と接して、「かわいい。」「お世話してあげたい。」とずーっと思うような仕組みができているのです。

その特徴が、人のこころのParent(親)のパートにがんがんアピールしてくるわけですから、「うちのコはかわいっくって仕方ない。」という強力な愛着が形成されるのも、自然なことかもしれません。

Parent(親)とは交流分析の自我状態の3つパートの中の一つです。自我状態についての説明はこころを耕すブログでお伝えしています。良かったらそちらもご覧ください。
ここでは犬の飼い主の自我状態の使い方の具体例をあげます。

Parent(親)のエネルギーを使う行動
犬の安心、安全の確保をする
食事・排泄・健康管理などのお世話をする
家庭や社会のルールを教える
愛情やいたわりをもって接する

Adult(成人)のエネルギーを使う行動
犬について学ぶ
犬を客観的に観察する
人と犬の違いを理解する

Child(子ども)のエネルギーを使う行動
犬と楽しんで遊ぶ
素直に感じる
「私は〜したい。」など、自分が主語の言動ができる(「うちの○○ちゃんが〜。」ではなく、私が主語であること)


ほんの一例ですが、何となくご理解いただけたでしょうか?犬と暮らす上で、Parentは重要な役目を果たしています。一方、Parentに偏りすぎると、愛犬とのお別れなどの大きなライフイベントに遭遇したときに、自分や他人を責めたり、後悔したりなど、こころの傷から、なかなか回復できないこともあります。人のこころの健康を保つには、適時適所で自我状態の各パートのエネルギーを使うことが大切です。


【Childの気持ちで素直に泣けることの大切さ】

特にお別れの場面では、Childのエネルギーが重要な役目を果たします。
私事で恐縮ですが、我が家のエピソードです。

大地が14年8か月の命を閉じたのは、土曜日の早朝でした。
その日は里親会の役員会がはいっていました。夫は泣きながら「大地がなくなりました。今日は欠席させてください。」と会長さんに電話しました。ありがたいことにご理解いただきました。大の大人が…とか大の男が…とか関係ありません。悲しんでいいんです。泣いてもいいんです。

お別れにきてくれた人達にも、たくさんの涙を受け止めてもらいました。あんなに泣いたのは人生で初めてです。不思議なもので、泣きたいだけ泣くと、悲しみ以外の感情も出てくる余裕ができました。感謝の気持ちなど温かい気持ちを抱いて、その夜は家族みんなで大地を囲んで寝ました。

いちばんきついと感じたのは、火葬の日です。兜明神山みたいな頭、よだれちょうちんをぶらさげていたピロピロの唇、頑固おやじ風の背中が無くなってしまうのかと思うと、胸がしめつけられました。私達らしく送る方法がないか考え、ドッグランでオフリードにリリースする時みたいに「ヨシ」の声で送り出そうと決めました。最後のコマンドです。

「大地、天国へ行ってね」
夫と声をあわせて「ヨシ」
手を離すと、大地が炉の中に。
「寄り道するなよ〜」
ドアが閉まるまで、手を振って送りました。

待合室で待っている間、空に向かってどっこらしょと走っていく大地をイメージしました。だんだん速くなって、ダダッダダッと力強く上っていきました。お骨を拾う時は、落ち着いた気持ちで箱に収めていたのを覚えています。Childでとことん悲しみ、素直に泣いたことで、前を向けたのだなと思います。

最期にイメージする愛犬の姿によっても、その後の回復に差が出るかもしれません。苦しんだり、寂しい姿がイメージに残っていたら、そのたびに自分を傷つけてしまいます。そのコの魂(私はあるような気がします)は何を望むでしょうか?もし私がワンコだったら、飼い主さんに自分の元気な姿や楽しい思い出をイメージしてもらえたら嬉しいな。





しんどいテーマではありましたが、お別れから逆算して、現在のありようにもふれてみました。最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。


あらら、空から大地の声が。
「前回のブログで初登場したばっかりなのに、いきなりボクのお別れシーンとは、あんまりだよ〜!」 大丈夫、大地のエピソードはまだ続きますよ。



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