作成日:2019/02/12
いつものフードに心を込めたトッピングを
皆さんは伴侶犬のごはん選びにどのような基準やこだわりを持っていますか?
それこそ100人100様のお考えがあるでしょう。
目的も様々…
犬の健康維持、促進
犬種に合うもの
年齢に応じたもの
安全・安心
病気の治療
体重管理
犬の喜ぶ顔が見たい などなど
条件も様々…
ごはんの種類(生肉、ウェットフード、手作り、ドライフードなど)
価格 (ピンからキリまで。)
入手のしやすさ などなど
食べることは生きること、飼い主にとっても犬にとっても、大切なイベントなだけに、ごはんの時間は多くのエネルギーが絡み合う場でもあります。そんな大袈裟な〜とおっしゃるかもしれませんが、人間とイヌの思惑・感情が交錯して意外にドラマティックです。今回は、ごはんをあげる側の飼い主のメンタリティーについて考えます。
【犬がご飯を食べないときの飼い主の気持ち】犬がごはんを食べない、食べられない、または食べてくれない(と感じる)時あなたはどのような気持ちになりますか?
我が家の犬達は2頭がラブラドール、1頭は雑種の中型犬で、みんな食欲は超旺盛。ラブラドールの大地は亡くなる前の晩まで、美味しそうにガツガツ食べていた口なので、「食べない」という文字は彼の辞書にありませんでした。なので、以前は「ご飯を食べない」という苦労知らずの飼い主でした。
ある日、雑種の木精(こだま)が、突然ご飯を全く食べなかった時は、ものすごくショックでした。
「ごはんだよ〜」のかけ声に、一応フードボウルに近づいてきたものの、「どうぞ」のGOサインには全く動かず。口元にボウルを持っていっても食べる素振り無し。そのまま待つと今度は顔をそむけて「食べないから」と意思表示。
あんなに食いしん坊の木精が食べないなんて!ガーン!
重い病気? 何か精神的なこと?
「食べなくなったら終わり」的な強迫観念がチラッとよぎりました。
冷静に考えれば、1回ごはんを食べないだけで、どうにかなってしまうわけではないですよね。ところが、その時はフードが食べられないなら、何とか別の形で栄養を取らなければと必死になってしまいました。ウェットフード、サツマイモ、すりおろしリンゴなど、少しでも食べてほしいと試してみました。それでも「いらない」は続き、心配が増幅するばかり。
最終的には、なんのことはない二日目の夜にはいつものようにパクパクとご飯を完食しました。お腹の調子が悪かったようで、本人(いやいや本犬)が要らないというのだから、無理矢理食べさせる必要はなかったのでした。
あとで気がついて反省したのは、こちらが不安や心配な気持ちでごはんをあげること。どうにか食べてくれないかと、口に入れたお芋やすりおろしリンゴは、不快なメッセージも一緒に口の中に運んでいたかもしれません。
1日くらい食べなくても、落ち着いて様子を見る。必要であれば病院で受診。
食べられないのか、食べないのかの見極める目が必要だと気づきました。
例えば、口が動かないとか痛いなどの事情で食べられないのか、意思をもって食べないのかの見極めは飼い主でしかできない事です。
日々の観察、そして冷静に対処することが大事ですね。
【飼い主が納得して提供することの大切さ】
犬の食事に関する情報があふれています。各分野の専門家やプロフェッショナルの発信する情報はとても役に立つ反面、どれを採用するか迷う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
自分の振り返りも含めて、ちょっぴり厳しい質問です。普段のごはん、条件的に制約がある中でも、飼い主として納得して与えていますか?
こんな not OK 感をトッピングしていませんか?
◆ダイエット中なので、これだけしか食べられなくてかわいそう
◆本当はもっと高いフードをあげたいけど、予算が…
◆療法食なので、食いつきがいまひとつ、やっぱり美味しくないのね…
◆本当は手作りのトッピング作ってあげたいけど、忙しいのでできない
◆○○ちゃんはこのフード食べて被毛がツヤツヤだから、うちのコも
◆新しいスタイルだからなんとなく良さそう
1日2回として、年に730回、ちりも積もれば山となる。
もし、あなたが食事のときに「本当は手作りのごはんを作ってあげたいけど、忙しくて出来合いのおかずでゴメン。」と毎日言われたら、なんだか良くない物を食べているような気分になりませんか?
伴侶犬の事を一番観ているのは、飼い主さんです。限られた条件の中でも、ベストまたはベターな選択をしていると思うなら、自分が用意したごはんに自信を持っていいと思います。
笑顔と一緒に、こころの栄養をトッピングをしてあげては如何でしょう?●「今日のごはんもおいしいよ。」
●「○○は日本一のごはんを食べてるぞ〜」くらいの気持ちをのせてもOK
●ごはんの歌をうたう「ごはん♪ごは〜ん♫」
●ダイエットフードは「スペシャルヘルシーメニューだよ」とリフレーミングしてみる
など、工夫次第で楽しいごはんタイムを!
言葉レベルというより、あげる側の心持ちが大切です。きっと犬にも伝わるはず。
何より、
あげる側の飼い主自身のこころの栄養になることが、一番の効用なのではないでしょうか。